建築家の建築作品集・Webオープンハウス-工事監理〜竣工写真編

建築家・今野暁史の建築作品集です。
現場監理から竣工まで建築家目線で現場をレポートしていきます。
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くの字型の躯体が見えてきました〜Hokuou House 建方
HokuouHouse上棟

Hokuou Houseが無事上棟しました。
無事といっても、建方(躯体を組む作業)に相当手を焼いていました。
やはり一般的でない形なので難しかったようですね。

HokuouHouse上棟

朝、現場につくと1階の柱、大引き、土台等が組みあがり、1階の梁も半分ほど施工されているところでした。
ここまではいたって順調です。

hokuouHouse上棟 hokuouHouse上棟

まず確認したかったのが、各部屋からの眺め。
この家のプランの要となっている神社の緑がどのように見えるかを確認。
ほぼ想定どおりのいい眺めです。
その他、キッチンやリビング、ダイニングなどお施主さんが座る予定の位置などに視点をあわせ眺めを確認。
どれもいい塩梅です。
とりあえず、一安心です。

hokuouHouse上棟

道路からの眺めも確認。
道路に平行でない配置が活きてますね。

hokuouHouse上棟

そして、問題が起きました。
前回、入念に打ち合わせをした手加工部分が、なんと寸法が間違っていたのです。
数十センチ長かった為、一度外して後から取り付けることに。
後からはめても問題ない梁を残してうまく進めることが出来ましたが、こういうこともあるんですね・・・
プレカットだけだとこういう問題もおきにくいかと思うのですが、人間の手で作業する部分はどのように気をつけても間違いは起きますね〜
ほんと、間違いは起きるものと考えて現場監理することが重要だと痛感します。

hokuouHouse上棟  hokuouHouse上棟

お施主様が用意してくださったお弁当。
上棟後の直会の食事代わりに準備していただきました。
ボリューム満点でかつとても美味しかったです。

HokuouHouse上棟

梁には羽子板ボルトという金物を取り付けるのですが、その取り付け穴をテープで塞いでいました。
雨が入らないようにだと思うのですが、梅雨の時期の施工なだけに、こういった心遣いはいいですよね。

HokuouHouse上棟

幸運にもお隣の敷地をお借りすることが出来、使う材料を置かせてもらいながらの施工。
これだけ、好条件でも複雑な形で苦労しています。
建て方には、大工さん他、いろいろな職人さんたちが一緒に行うことが多いのですが、今回の工務店さんはなんと、社員さんが駆けつけて建て方を行いました。
はじめ聞いたときは、その気持ちはうれしいけど素人さんが逆に工事に携わらないで欲しいんだけど・・・
と思ったのですが、この工務店では恒例行事となっていて各監督さんが職人顔負けの慣れた手つきで作業を進めていただきました。
ほんと、はじめは事務とか設計、経理の方が来るものと思っていたので見事に統率の取れた動きで感心しました。

そして、その動きを指示するのが棟梁。
親子の大工さんで、最近代替わりした模様。
クレーンで吊り上げる順番を指示し、歪みの出にくいよう、作業のしやすいように順番を決めるのも重要な仕事です。

HokuouHouse上棟

建て方も大分大詰めとなってきました。
くの字型の外観もずいぶんと様になってきました。
外観のイメージを確認しながら外壁の色や屋根の色等を決定しました。

HokuouHouse上棟

二階の梁までが組みあがり、残りは屋根のみ。
その前に、柱の建ち倒れ(垂直)などを確認、補正します。
防風下げ振りといって金属管の中におもりが吊るされた器具を使って確認し、太いチェーンのついた器具で引っ張りながら補正します。
はっきりいってこの作業が一番大事。
この精度が悪いと後で苦労するのは大工さんです。
先ほどまで下で指示を飛ばしていた棟梁も自分の目で確認しています。

HokuouHouse上棟

そしてついに上棟です。
ようやく全容が見えました。
この敷地に直行する道路からの見た目もいい感じです。

HokuouHouse上棟 HokuouHouse上棟

そして、最後に上棟札を家の中心の高い部分に納めていただき、

HokuouHouse上棟

簡単な上棟式を行い〆となりました。

HokuouHouse上棟

そう、工務店の方がこの式の為にオリジナルのはっぴを着て挑んでくれました。
かっこいいですね〜

HokuouHouse上棟

そして終わった頃にはあたりは真っ暗。
本当に遅くまでご苦労様でした。

さて、ここからが本番です。
完成に向け現場もペースアップ。
まだ、決まりきっていない部分があるのでさらにイメージを深めより良い家になるように頑張りたいと思います。

| Hokuou House | 13:22 | comments(0) | trackbacks(0)
複雑な構造をよりよくする為に
HokuouHouseプレカット

上棟に向けプレカットの打ち合わせを行いました。
この家はくの字型に折れ曲がっているのが特徴で、魅力的な間取りである一方、その角度のズレが構造上の弱点にもなる危険性がありました。
その為、柱や梁の取り付き方などを予め打ち合わせを行い、欠き込みの仕方などを事前に打ち合わせをし確認しました。
現場に材料が運び込まれた際に手遅れという事態を避けたかったからです。

HokuouHouseプレカット HokuouHouseプレカット

打ち合わせをプレカット工場で行ったので工場を見学させていただきました。
その際撮影した写真を簡単にご紹介。
この写真の材料はHokuou Houseで使う予定の材料。
地域材を使った補助金を受ける為、これらの材料は別途材木やさんで手配をして工場に納めています。

HokuouHouseプレカット

この建物で一番大きな材料がコレ。
450mmもセイのある梁です。
しかも無垢の梁です。
写真では伝わらないと思いますが、実によく目の詰まったいい材料です。
組みあがるのが楽しみですね。

プレカット工場見学

通常はこのように工場側が材料を一括手配して利用します。
柱・梁等使う部位によって樹種が異なるのと、同じ柱材でも無垢か集成材か?
また、強度の指定があるかないかで材料を使い分ける必要があります。

プレカット工場見学

これは土台用の材料。
防腐剤を注入する為にギザギザの加工がされています。

プレカット工場見学

こちらは床用の合板。
最近はあらゆるものがプレカット化されていますね。
床までプレカット材を使うかは工務店にもよりますが、建て方と同時平行で床を作っていけるので安全で早く工事がすることが出来ます。

プレカット工場見学

プレカットの様子です。
コンピューターで予め入力されたとおりに加工され、次々と材料が運び出されます。
作業する方は完成された材料のチェックと整理が主です。

プレカット工場見学

ほんと最近のプレカットはすごいですね。
こんな複雑な形状までプレカットで対応可能なようです。
しかし、今回の物件はそれでも機械で加工できない箇所があって、手加工によって仕口(材料と材料の繋ぎ手)が施されます。
その加工は工場内の熟練大工さんが行う為、現場の大工さんはどんどんこういった複雑な加工から遠ざかっているんですね。
若い大工さんは特に経験を積む機会を失ってしまっている気がします。
なんか、建設業界の行く末が不安になりますね。

さ〜まもなく上棟です。
無事打ち合わせ通りに施工されることはもちろん、天気が良くなることを願いましょう

| Hokuou House | 20:40 | comments(0) | trackbacks(0)
すべてがうまくいくとは限らない〜現場には問題がつきもの
Hokuou House 基礎工事

なかなか現場が進んでおりません。

建設予定地のつくば市が建設ラッシュで消費税増税後も職人手配や段取りつきにくいと予想されていた為、工期は予め長めに取ってあったのですが、それに加え現場でちょっとした問題があり段取りが狂ってしまったのが原因です。

現場は、いつもうまくいくとは限らないのですが、今回は基礎の鉄筋工事で重大な間違いが起きてしまいました。

この建物は長期優良化住宅だということ、耐震等級2であり、吹き抜けがあり、形状が特殊で耐力壁のバランスがあまり良くない為構造計算で安全を確認して設計を進めていました。
その結果、2階建ての住宅規模の基礎としてはかなり頑丈で複雑なつくりとなってたのですが、
その地中梁の施工に関し、職人さんが図面の読み間違えとハンチ※1部分の施工の仕方を間違ってしまっていたのです。
※1:ハンチとは異なり形状の梁の合わさる交点の力を無理なく分散させる為に設ける斜めに設ける梁状の部分の事

慣れない形状、複雑な梁で間違いが起きることはあってはならないことですが、こういった間違い等は起こりうる事だと認識していますし、そういった現場に何度か出会ってきました。
その為、基礎のコンクリートを打設する前にも検査し確認し、問題の早期発見と対策が出来るように心掛けているのですが、その間違って施工してしまった際に、補修方法等を検討し是正指示する際の工務店との折衝が本当に大変です。
もちろんそれを直す現場の職人さんはもっと大変なわけで、いかに未然に防げるかが設計監理の重要な仕事となるわけです。

Hokuou House 基礎工事

今回は、検査時に確認し是正することが出来ましたが、当初現場は監理者の検査なく進めようとしていたので、ほんと冷や汗ですね。
第三者機関の検査があるから監理者の検査は必要ないと判断していたようで、万一検査に来なければこのまま見過ごされて施工されてしまったでしょう。
しかし、今回の現場に限らず現場の構造等に対する認識は、品確法が出来てから逆に悪くなっているような気がします。
(それ以前はもっと監理が行き届いてなかったケースもあるかと思いますが)
設計監理者の検査(自社施工の場合はほぼないでしょう)がなくとも、第三者機関の配筋検査があり、それを合格する事で問題がないと誤解してるのです。

これは、私の感想で全ての確認審査機関(検査員)でそうではないと思うのですが、年々検査がおろそかになっている気がします。
法律施行当初は、かなり時間を掛けて鉄筋の数を数えたり間隔を測ったり、太さ等を確認する姿があったのですが、最近はほとんど目視であっという間に済ませている気がします。
もちろん、目視等でもある程度確認できますが、こなれてきたというか、要領よくこなしているという感じです。
結局、第三者保障の会社は直接その物件の瑕疵保障をするのではなく、あくまでその建設会社が倒産した場合でかつ、瑕疵があったと認められた場合のみ保証すればよいのですから、一番入念にチェックしてるのはその会社の財務状況なのではないか?と疑いたくなってしまうくらいです(笑)
もちろん、そんな酷いことはないと思いますが、建て主より仕事を依頼してくれる工務店のほうを向いて仕事している可能性は高いような気がします。

ですので、確認審査機関の検査は形骸化され、それを通ったからと安心してはいけないと思うのです。
今回のようにハンチ部分や開口部の補強、図面には現れてこないイレギュラーな部分の確認や是非の判断は間違いなく行っていません。
これは確認審査機関、検査する検査員が工務店や設計者より優先して保障する立場でない以上は、変わらないんでしょうね。

「確認審査の検査を合格している」この事が現場に変な安心感を与え、我々建築家や施主にとってマイナスに働くのはなんともいえない感じです。

今回の物件は工務店さん、職人さんの協力のもと是正工事が行われほぼ予定通りの形となりました。
やり直しの工事はやっぱりいやですよね。
プライドを持って行っている仕事にケチ?(是正指示)つけられるのは気分的にも優れないことだと思います。
今回は職人さん、監督さんには非常に忙しい中でキチンと対応していただき感謝しています。

今回のような工事のケースで一番重要なのは事故後の対応です。
そういった、間違いや勘違いが起きないように打ち合わせをし進めることが大前提ですが、その判断ミス、施工ミスが起きた際に放置し、隠蔽するのではなく、是正工事や処置、対応が重要であると共に、問題を見付けられる仕組みが必要だと痛感します。
そして、工事を行う職人さんたちとただ基礎を作る、壁を作る、照明を取り付けるといった分業された仕事を請け負っているのではなく、そこに住むお施主さんの(安心して暮らせる)生活を作っているんだという意識を共有することが重要で、それが一番難しいんですよね・・・
そして、完成するまでの過程も大事。安心して住める家は簡単には出来ないものです。

Hokuou House 基礎工事

段取りの関係で工事がまた開いてしまいますが、気を引き締めて挑みたいと思います。

| Hokuou House | 22:08 | comments(0) | trackbacks(0)
敷地の形に囚われない自然な形〜北欧家具・雑貨に囲まれて暮らす家
北欧ハウス時縄張り

まもなくHokuou Houseが着工します。
これは、その建物の地縄の風景です。
敷地はいたって普通の長方形の造成地なのですが、建物は途中で30度折れ曲がっているんですね。
なぜそんな形をしているかというと、敷地の北北東に宅地造成前から在る神社を借景として利用したかったからです。
また、地区計画で壁面後退などの規定があり、その緩和策を利用して最大限の広がりを家に持たせたかった為くの字型のプランを採用しました。

北欧ハウス地鎮祭

写真の右側に少し見えるのがその神社。
計画案の中では神社に向けてダイニングを作る案も作りましたが、最終的には生活の中で神社の存在を感じられる形で決定しました。
洗面所越に神社の緑が見えるのと、2階寝室の書斎コーナー(のんびりカウンター)から眺めることが出来ます。

北欧ハウススケッチ

これは当初のスケッチですが、リビングとダイニングから見通しが利くように工夫しています。
新規の造成地で建築家の頭を悩ませるのが周辺環境がまだ形成されていないということ。
唯一の手がかりは神社だったわけですが、まだ建っていない土地にどのような建物が建つであろうかをシュミレーションして通風、採光計画に役立てています。
その際気に掛けたのが駐車場の出入り口になっている場所。
歩道の切り下げ部分はよっぽどの事がなければ変更することはない為、建物の配置計画を予想する材料になります。
後は、建築家の勘ですね。
こちらが庭をここにして、窓をこの位置に設ければこう建てるかなと。
相手が全く周辺環境を読まないで家を建てたならどうにもなりませんけどね(笑)
お施主さんの住まい方や希望を反映するのにどんな形態が望ましいか?
それが一番しっくり来たのがこの形というわけです。

北欧ハウススケッチ

真南に庭があると庭に向いた面は少なくなりますが、この配置だと北よりのキッチンからも充分に庭を眺めることが出来ます。

北欧ハウススケッチ

「House in Library」でも同様の要素がありましたが、この「Hokuou House」も二つの書斎スペースがリビングに配置されています。
夫婦それぞれの書斎スペースをくっつけすぎず離し過ぎない。
程よい距離感を持たせながら共存するのにもくの字型のプランが有効に働いていると思います。
庭とTVを囲むように外部への広がりを感じながらも篭った感じの落ち着いた住まいになる予定です。

北欧ハウススケッチ

また、お施主さんは北欧家具や雑貨を多く所蔵していてそれらが自然と溶け込むような家を目指しました。
建物の仕上げ等の素材感以上にそれらの家具の存在が家の重要な部分を担うので家のプランと同時平行でイメージを膨らますのが難しかったです。
現在お持ちの家具、雑貨はもちろん、これから増える家具や雑貨たちが活き活きとキラメク家になるよう願って設計しました。
今から建物の完成以上に家具等が据えられるのが楽しみですね。

---建築概要---

北欧ハウス1階平面図
北欧ハウス2階平面図
北欧ハウス立面図  北欧ハウス断面図
  • 建設地:茨城県つくば市
  • 工事種別:木造二階建て・新築
  • 床面積:117.12
  • 家族構成:夫婦
※スケッチは計画当初のものの為実際とは異なる部分があります。

| Hokuou House | 09:27 | comments(0) | trackbacks(0)

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